悪いやつは何故か魅力的。テレビドラマや映画、小説などで主人公を凌駕するほど魅力的な悪役というのは少なくありません。「悪」に惹かれるのは江戸時代の人々も同じだったようで、数々のお芝居や浮世絵に悪人たちが描かれてきました。
本展は、さまざまな悪人たちのイメージを描かれた浮世絵から探ります。石川五右衛門、鼠小僧次郎吉などの大盗賊、幡随院長兵衛などの侠客、吉良上野介などの歴史上の人物、悪女、小悪党、悪の妖術使いなど、実在した悪人から物語に登場する架空の人物まで、江戸の「悪」が大集合いたします。
月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」歌舞伎「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」の主人公。遊女お紺の仕打ちに逆上して10人斬り。
三代歌川豊国「東海道五十三次之内 京 石川五右衛門」 みんなが知ってる大盗賊。粋ですね。
歌川広重「忠臣蔵 夜打三 本望」 江戸の人々は事件も大好物だったようで、大事件が起きるとすぐさま芝居化されたそうです。
三代歌川豊国「東都贔屓競 二 清玄 桜姫」 元祖ストーカーの悪僧・清玄。歌舞伎でもドロドロした恋愛模様を描いたお芝居が人気だったんですって。
江戸を生きた人々も酔いしれた悪の魅力を、浮世絵で楽しんでみませんか?
「江戸の悪」
会期:2015年6月2日 – 2015年6月26日
開館時間:10時30分~17時30分
入館料:一般 700円 大高生 500円 中学生以下無料
展覧会詳細:公式サイト 浮世絵太田記念美術館