浮世絵研究家であり、洋画家である悳俊彦氏のコレクションと自身の油彩画を一緒に鑑賞できるイベントをご紹介します。
悳俊彦(いさお・としひこ/1935~)は風土会に所属する洋画家。透明感のある色彩で、開発で急激に消えてゆく武蔵野の自然を描き続けています。武蔵野の風景を一貫して描いていますが、空の色、空気感がとても印象的。

「武蔵野残照」悳 俊彦

「武蔵野暮色」悳俊彦

「欅」悳俊彦
悳氏は画家でもありますが、浮世絵研究家としても著名です。特に歌川国芳、月岡芳年など幕末・明治期の浮世絵に早くから着目しコレクションしてきた蒐集家・研究者として、国内はもちろん、海外でも高い評価を受けています。浮世絵に関する著書も多数。
本展では、初公開の作品を多数含む、幕末・明治期の浮世絵コレクションを紹介し、武蔵野を描く悳氏の油彩画も併せて展覧します。
- 歌川国芳「六様性国芳自慢 先負 文覚上人」万延元年(1860)
- 河鍋暁斎「元禄大和錦 岡嶋八十右門常樹 倉橋伝助武幸」明治19年(1885)
- 歌川国芳「誠忠義士伝 間瀬宙太夫正明」弘化4年(1847)
- 歌川国芳「相馬の古内裏」弘化年間(1844~48)
- 山本昇雲「今すがた 花やしき」明治42年(1909)
- 小林永濯「猫図」明治中期
- 歌川国芳「流行猫の曲手まり」天保12年頃(1841)
期間中は悳俊彦氏による記念講演会、国芳展関連美術講座、葛飾北斎「凱風快晴」の摺りの実演など、関連イベントも多数開催。イベントスケジュールは公式サイトでご確認ください。
国芳イズム―歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション
会場:練馬区立美術館
会期:2016年2月19日(金曜)~4月10日(日曜)
休館日:月曜日(ただし、3月21日(月曜・休日)は開館、翌22日(火曜)休館)
開館時間:午前10時~午後6時 ※入館は午後5時30分まで
観覧料:一般800円、高校・大学生および65~74歳600円、中学生以下および75歳以上無料
画像出典:悳 俊彦 : 心の手帖・わたくし美術館