久隅守景(くすみもりかげ)は、江戸時代初期の狩野派出身者のなかでも、とくに異色な経歴をもつ絵師。狩野派の流れを汲み、生前から画名は高く、作品も多く現存しているのですが、その生涯について詳しいことはわかっていません。
守景は有名な絵師、狩野探幽に師事し、門下の四天王と目されるほどの実力者。探幽の姪を娶り、二人の子どもを授かるも、娘は師匠である探幽の弟子と駆け落ち、息子は佐渡へ島流し、など身内の不祥事が続き、探幽の元を離れたといわれています。
守景は狩野派を離れ、一家離散してしまった逆境の中でも描くことをやめずに制作を続けます。不遇の中で手がけた作品は、山水画、人物画、花鳥画、仏画など多岐にわたり、中でも農民風俗を描き出した「耕作図」においては唯一無二の独自の世界を確立しました。
狩野派の筆法をベースに、雪舟流の水墨表現とやまと絵の表現をとりいれたその画風は、守景ならではのもの。身近なものをあたたかな眼差しで見つめて描き出した、守景の世界。本展では謎に包まれた部分も多い久隅守景の魅力と半生に迫ります。
サントリー美術館では展覧会会期中の指定の木曜日にサントリー美術館6階 茶室「玄鳥庵」にて点茶を開催。都会の中の静寂な空間でお茶とお菓子を楽しんでいただけます。こちらもあわせてどうぞ。
きもので来館すると¥100割引きです。ぜひ、おきものでおでかけください。
逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし
会場:サントリー美術館
会期:2015年10月10日(土)~11月29日(日)※作品保護のため、会期中展示替をおこないます。
開館時間:10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)
※10月11日(日)、11月2日(月)、11月22日(日)は20時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
※shop×cafeは会期中無休
休館日:火曜日、11月4日(水)
※11月3日(火・祝)は18時まで開館
入館料:一般 当日 1,300円 前売 1,100円 大学・高校生 当日 1,000円 前売 800円
※中学生以下無料※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
きものでのご来館で100円割引
逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし サントリー美術館